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磨かれた販促のノウハウで新たな活路を見出す|スタジオケイ

Update: 2023.01.13|CategoryTOPICS, よみもの

数多くの中小企業がひしめく東京・三筋に本社を構えるのが、スタジオケイだ。細い階段を登った3階部分に打ち合わせスペースやデスクがあり、代表を継いだ二代目の大友佑介さんと営業を担当している小澤麦さんが出迎えてくれた。周りには同社で製造された販促品のサンプルが所狭しと置かれている。
大友「スタジオケイは私の父が1985年に創業した会社で、当初はお得意さんのノベルティ製造を行っていました。その後に顧客の拡大やニーズの変化を受け、現在は商品陳列台やPOPの企画・制作をメインにしています」

取引先の約9割は一般消費者向けの商品を販売するメーカーで、そのほとんどが化粧品メーカーだと大友さんは説明する。
大友「もちろん品質も大切ですけども、特に化粧品は店舗で目にしたときに購買意欲を喚起させるのが重要です。いかに売り場で目立たせるか、訴求力が必要なんです。また、化粧品は季節やトレンドによる入れ替わりも早く、常に新しいものが求められています。そうした特性を踏まえ、当社は独自のノウハウを駆使してお手伝いをさせてもらっています」
店舗ではさまざまな陳列台が並んでいるが、設置可能な範囲や陳列方法など、一定の条件がある。それらを熟知した上で、クライアントの希望を最大限に叶える販促品をワンストップで提供できることがスタジオケイの強みだという。
大友「私のほうで3DのCADによる設計イメージ図を作り、社内にある専用工作機を使ってホワイトダミーをお見せして、微調整を繰り返した後に印刷工場と調整し……実力のあるデザイナーや印刷屋との関係も深く、品質の高い製品を最短の納品期間でお届けしています。この業界は時間が勝負なことも多く、専門分野に特化した企業だとこのスピード感は出せないのではないかと思います」

 

売上構成では、主に大友さんが担当する商品陳列台やPOPの企画・制作が7割で、あとの3割は小澤さんが担当するパッケージ制作だという。
小澤「パッケージのほうは食品が主です。当社は台湾に貼箱の工場を持っていますので、商品コンセプトを伺った上でイメージに即したパッケージを提案し、製品化するようにしています。スペシャリストがおりますので、難度の高いパッケージ製造もロットの大きな製品も対応できるんです」
クライアントの希望に応じてパッケージの材質や加飾方法、加工の仕方をアレンジ。納期によっては日本国内の貼箱メーカーへの外注も含め、最良のソリューションを提供するようにしている。

これらの事業に励む一方で、BtoCの商品開発にも力を入れている。
大友「2010年代の中頃、この業界の景気がちょっとよくない時期がありまして、新しいビジネスができないかと模索していました。それに、基本はお客様からの依頼を受けてから動き出す『待ちの仕事』でしたから、仕事量が減少した際にただ待っているのは辛かったんです」
台湾のパートナーから画期的な構造をしたスリングタイプのメガネバンドを紹介され、日本で販売することに。「フィッチ」と名付けて実用新案登録や意匠登録、商標を取得し、安定的に売れる製品になった。
さらには今後、台湾パイナップルを使ったオリジナル化粧品の販売も計画しているという。
大友「関連するメーカーさんや問屋さんの知り合いに感触を確かめてみて、『これは行ける』と確信しました。販路も熟知していますし、販促什器を使って消費者に訴求するのは本職ですから、大きな将来性を感じています」

もうひとつ大きな可能性を感じているのが、透明アクリル板に鉱物や貝、布、紙、気泡などを封入した「SKアクリル」だ。これも台湾のパートナーから紹介を受けたという。
小澤「たとえば本物の白鳥の羽が透明なアクリルに封入されていて、非常に高級感のある装飾品なんです。サイズも大判で、パーテーションや壁面装飾、天板などに使えます。これまではホテルのラウンジや高級バーなど、ラグジュアリーな雰囲気を演出する仕掛けとして数多く導入いただいています。ただ製造方法が特殊な分コストも高く、活用の場が限られてしまうのが課題で……」

そうしたタイミングで東東京モノヅクリ商店街への参加が決まり、「SKアクリル」を使った新たな検討方法をこの枠組内で検討することに。大判サイズは高額だが、製造工程で発生した端材なら格安で仕入れられることがわかり、ルームキーの柄やコースターといった小物の開発を進行中だ。これらの売上に期待するだけでなく、「SKアクリル」そのものの認知度が高まることにも期待している。
大友「BtoC事業を広げ、最終的には自社製品を販売する店舗まで運営できたらいいなと夢見ています。小さな会社ですので、むやみに拡大させていくつもりはありませんが、地元に根ざしながら僕らにできることをやっていこうと考えています」

INFORMATION

株式会社スタジオケイ

〒111-0055 東京都台東区三筋1丁目16−11

TEL :  03-3851-2303

URL: http://www.k-studio.co.jp/